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10年前の高気密の新聞記事
2025年01月22日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは、自然素材と高性能住宅推しの能見が
書いています。そんな見方で読んでください。
今日は、年末の大掃除の折りに出てきた
【10年前の高気密の新聞記事】をもとに
過去と今の比較を書きたいと思います。
2025年の4月から省エネ基準が変わり今までの
基準で家が建てられなくなります。とはいえ世界
基準からすると日本の家の基準はまだまだ
低いのですが、私も含めて建築業界全体の気密や
断熱に対する意識が上がってきていると思います。
今は、高気密高断熱を建築会社の特徴として
謳っていますが、これからは高気密高断熱の家が
当たり前でそれが建築会社の特徴にはならない
時代がくるだろうなと思います。実は昨日まで
鹿児島の建築会社へ視察に行っていました。
後述しますがUA値もC値も正直凄くて体感も
衝撃でした。どこまで求めていくかもこれからの
課題だなと思っています。
まず気密住宅で必ず出てくるC値という言葉を
おさらいしておきたいと思います。C値とは家の
気密性能を表す指標で、建物全体にある隙間
面積を延べ床面積で割った数値になります。
数値が小さい方が、隙間が小さく気密性が高いと
評価されます。10年前の建築業界では、特に
意識の高い建築会社以外はそこまでC値に関する
話を聞かなかったように思います。弊社も
10年前に記載された高気密に関する記事を置いて
いたのは、少しは気にしていたんだと思いますが、
本格的に高気密高断熱に力を入れ出したのは
4年くらい前からだと記憶します。
記事によると換気は、新鮮な空気を寝室から取り
込み汚れるところから排出する。つまり各居室
から給気してトイレやクローゼット、浴室から
換気扇で排出するのが効率的で理想と記載があり
ます。パッシブハウスの考え方は少し違いますが
この考えは今とほとんど変わりないと思います。
換気は特に、気密が大事と書いてありました。
なぜなら温度が高い空気は上に上がり二階に
上がっていきます。二階にはたいてい居室がある
ので居室から空気を入れようとすると出る力が
働いて上手に空気が入ってこない。但し、空気の
出入り口が明確で極端に言うと二か所しかない程
気密が良ければ強引に引っ張って空気が入って
くるということです。そして、C値が5㎠/㎡
だと二階の給気が逆流して排気になり、C値が
2㎠/㎡だと二階の給気からも空気を取り込め、
C値が1㎠/㎡を切れば家全体から平均的に
給気できるということです。この考えを読んで
一般的にC値1㎠/㎡で高気密住宅と言われる
理由が納得できました。ただ、時代は流れ今じゃ
C値が1㎠/㎡では高気密と言わなくなり
C値が0.5㎠/㎡以下でようやく気密が
そこそこって言われるようになってきました。
時代とともに家の性能も建築会社のレベルも
上がってきているのが記事を通して
とてもよくわかりました。
C値が必要な理由は調べれば
・隙間が無い家の方が寒くない
・断熱性能を上げてエネルギー効率を上げるため
・光熱費の節約
・結露やカビの発生を防ぐ
と沢山出てきますがこれはあくまでC値を良く
したことによる効果で、そもそも本当に必要な
理由は効率的な換気(空気の入れ替え)を促す
ことが出来るということです。いつもこれを説明
する時にストローで水を吸う時に、穴がたくさん
開いたストローでは、水が吸いにくくなるという
話をします。穴から空気が入ってくるので
当たり前ですよね。これがC値のいい家と悪い
家の違いになります。10年前から考えられていた
基準より今はもっと上を目指す建築会社が増えて
来ました。家を建てる人たちにとっても本当に
いい流れになってきたんだと思います。弊社も
C値の最高値は0.15㎠/㎡なんですが、C値は
0.1㎠/㎡以下が当たり前ですって言えるように
精進していきたいと思います。
【結論】10年前から基本的な本質的な部分は
変わっていませんでした。UA値もC値も
小さい方がいい!!世界の基準を見ると大体
C値で0.6辺りが標準なようです。
但し、C値の数値は小さい方が良いが数値が
良ければ暖かい家というわけではなく、
日射取得も大事なんです。その話はまた今度。
鹿児島で見てきた建築会社さんは、
高気密高断熱でしたが、さらにパッシブ要素を
取り入れた家でした。
なんとUA値0.19、C値0.1以下と性能もさる
ことながら無暖房で家の中が28度位に
なるんです。外が寒ければ寒いほど家が暖かく
なって、外が暑いと家の中が涼しくなる理想の
家でした。これから弊社もいい所を取り入れて
さらにグレードアップします。
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
では次回は
【24時間換気の給気口の付ける位置】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信もしていますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎