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階段の踏面と蹴上の寸法について
2025年01月15日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは、自然素材と高性能住宅推しの能見が
書いています。そんな見方で読んでください。
1月も中旬になりました。今年の目標は立てられ
ましたか。目標は、1年後の目標とそれを達成
させるための毎月の目標を立てることで実現
しやすくなるそうです。そうそう、目標と違い
夢を実現するのに必要なものは時間ではなく期限
なんだそうです。確かに、期限があることで
現実的に考えられるように思います。
家づくりでも10年経ってもまだ土地を探して
おられるお客様にお会いしたことがあります。
そういう意味でも、何かを成し遂げようと思う時は
期限も必要かもしれません。
さてさて今日は、お客様から質問頂いた
【階段の踏面と蹴上の寸法について】
について書きたいと思います。
階段の寸法で大事になってくるのが踏み面と
蹴上の寸法になります。踏み面(ふみつら)とは
階段を上っていく際に足を乗せて踏んでいく面の
ことです。そして、蹴上(けあげ)とは階段
一段の高さのことになります。建築基準法では
階段の寸法は踏み面が150㍉以上
蹴上230㍉以下でなければならないと決まって
います。さすがに踏み面が150㍉は小さく感じ
ますし、蹴上が230㍉は高く感じます。でも
踏み面が大きいかったり蹴上が低かったりした
方が上りやすいかというとそうともいえません。
例えば、幼稚園の階段の蹴上が低すぎて
上りにくいと感じたり、お城やお寺の石の階段の
踏み面が広すぎて歩幅が合わず上りにくいとか
感じたことはないでしょうか。蹴上が高すぎても
低すぎても、踏み面が狭すぎても広すぎても
上りにくいのです。
通常住宅の階段は14段で二階に上がり切ります。
これを15段や16段にすると蹴上を低くする
ことができ、それに踏み面を広くすることで
緩やかな階段をつくることができます。但し
このように緩やかな階段をつくると広い階段の
スペースが必要になってきて部屋が広く取れ
なくなったりしますので、階段だけではなく
他とのバランスも大事になってきます。
最後に、専門家や大工さんがどのように踏み面や
蹴上を決めていっているのか少し専門的な視点に
なりますが説明したいと思います。いろんな
シチュエーションがあるので、廻り階段のない
真っ直ぐな階段を付ける場合で説明します。
【踏み面】
通常階段は14段で二階の床に上がり
きるといいました。14段目が二階の床になるので
踏板は13段分必要になります。真っ直ぐな階段の
場合、奥行き2730㍉のスペースを使うことが
多いのでそれで計算すると2730㍉÷13段は
210㍉になります。これが踏み面になります。
いやいや、踏み面は250㍉欲しいという場合は
250㍉×13段で3250㍉の階段の奥行き
スペースが必要になります。
【蹴上】
蹴上の寸法は二階の床の高さ÷階段の段数で
計算して出します。そして、二階の床の高さは
二階の床に使う一番大きい梁の大きさと取りたい
天井の高さをもとに出します。本当は少し余裕を
みるのですが、梁の大きさが360㍉、取りたい
天井高が2500㍉の場合、360㍉+2500㍉で二階
の床の高さが2860㍉になります。階段の段数が
14段の場合2860㍉÷14段で蹴上が204.28㍉に
なりこの端数を繰り上げた205㍉×14段の
2870㍉が二階の床の高さになります。
この様に、ただ階段を考えるだけでなく階段を
取付けるスペースと部屋とのバランスや一階の
希望天井高などを踏まえて決めていきます。
ちなみに弊社の通常の階段寸法は、踏み面は
910㍉の間に4段取って踏み面を227~230㍉で
二階の床の高さ2940㍉を15段で上がりきる
蹴上196㍉って所でしょうか。
角度でいうと39~40度くらいです。
【結論】踏み面が広すぎても狭すぎてもダメ
蹴上が低すぎても高すぎてもダメ!!
階段寸法は色んなバランスを鑑みて決めよう!!
理想は踏み面230~250㍉、蹴上185~196㍉
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は年末大掃除していたら10年前の建築新聞が
出てきました。その中に記載のあった
【10年前の高気密の新聞記事】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信もしていますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎