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遮熱ガラスと断熱ガラスの選び方

2024年06月12日

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こんにちは、京都の長岡京市で

自然素材高気密高断熱の家を建てている

能見工務店の能見です。よろしくお願いします。





 
情報過多の中、様々な情報が溢れかえって

います。発信される情報というのは、

なにかしら配信者の思惑が入って発信されます。





 
私事ですが、14年前の今日結婚式を挙げました。

まだ14年しか経ってないのですが、14年前と

今の環境の変化が凄いなって感じます。今は、

奥さんと3人の娘の計4人の女子に囲まれて

賑やかな毎日を過ごさせて頂いています。

“人はどうでもいい人に気を使って、

一番近くにいる大事な人をぞんざいに扱う”と

本で読みました。皆様は大丈夫でしょうか。

私は、少し“ドキッ”としました。





  
さて今日は、

【遮熱ガラスと断熱ガラスの選び方】

について書きたいと思います。





 
窓の選び方は、前回のブログでも紹介しています

ので、そちらを参照ください。今日は、主に

窓ガラスについて書きたいと思います。

昔は単板ガラスで一枚ガラスが普通でしたが、

次第に2枚ガラスのペアガラス、最近では

トリプルガラスが主流になってきました。

トリプルガラスはとても重たく、特に掃き出し窓

みたいな大きな窓は取り外して掃除することは

困難になっていますが、ガラスが3枚入っている

だけに性能はとても良いのです。工事の際、

サッシ屋さんは重たくて搬入がとても大変そうで

気の毒に感じます。サッシによっては6人掛りで

持たなければならない物も出てきているとか。

家の弱点である窓を強化していく流れは、

家にも環境にも良い方向だと感じています。





 
家にも環境にもいいのであれば、性能の良い

トリプルガラスを全部に使えばいいんじゃない

って思うかもしれませんが、性能がいい

トリプルガラスを全てに採用したらいいという

わけでもありません。なぜなら、夏は出来るだけ

暑い日差しが入らない工夫が必要で、

冬は日差しを取り込むことで部屋を暖めることが

必要になるからです。同じ窓で相反することを

どうすれば上手くやっていけるのでしょうか。





 
まず最近のガラスは、

酸化亜鉛と銀をコーティングした特殊金属膜を

張ってあるLOW-Eガラスというのもが

主流になっています。この特殊金属膜を

ペアガラスやトリプルガラスの

外側のガラスに張るか、内側に張るかで

遮熱ガラスと断熱ガラスの区別をしています。

メーカーによっては、トリプルガラスの外側と

内側両方にLOW-E金属膜を張った

ダブルLOW-Eというガラスもあります。





 
金属膜が外に張ってある遮熱ガラスは、

一般的に夏の日差しや西日をカットしたい場合に

適していて、断熱ガラスは冬の温か日差しを取り

入れたい場合に適していると言われてきました。

昔は北と東は断熱ガラス、南と西は遮熱ガラスが

いいとメーカーから教えて貰っていたのですが、

最近は私もいろいろ勉強していく中で日射熱を

取得したほうが良い南側の窓はわざと性能を

落とした上で遮熱ガラスではなく断熱ガラス、

他の北東西の窓は性能を良くして遮熱ガラスを

勧めるようになりました。全部ガラスの

性能だけで日射を遮ると冬のポカポカ日差しが

取り入れられないので、南側は冬のためにわざと

性能を落として日射熱が入るようにします。

そして、カーテンのように家の中ではなく

簾やアウターシェードを付けて夏の日差しを外で

カットするのです。そうすることで、同じ窓を

使いながら相反する夏と冬の対策ができるように

なります。また予算がある場合は、

北東西はトリプルガラスで南側のみペアガラスに

することをお薦めしています。





 
では、なぜ考えが変わったかを説明します。

実は遮熱ガラスや断熱ガラスといっても

断熱性能は一緒なんです。ガラスの種類や

金属膜の位置、LOW-Eガラスの色(メーカーに

よっては選べません)によって変わるのは、

日射熱取得率だけなんです。

であれば、日射を取得したいかしたくないかで

考えていけばいい。そして、北東西の窓は

熱損失を起こさせないため最低限の大きさの窓が

いい。ということをまとめると、日射を取得しい

大きい窓を付けるのは南側だけ。

と、こんな感じで考えが変わりました。

だから難しいことは考えずに、

南だけ断熱ガラスって覚えておいてください。





   
結論:

東西北は遮熱ガラス 南は断熱ガラス一択!

実は、遮熱ガラスと断熱ガラスの断熱性能は同じ

なので日射熱をどれだけカットしたいかで

ガラスは決めるほうがいい。そして、南側の

日射熱は簾やアウターシェードのように

外でカットする方が効果は大!!



 
トリプルガラスの場合、LOW-Eガラスを外側の面と

内側の面に使うことで日射熱取得率と熱貫流率を

良くすることが出来ます!!

※メーカーによっては出来ない場合があります。





 
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに

アドバイスをもらいながら進めて

後悔しない家づくりを実現して下さい。

この情報が皆様の役に立てば幸いです。





 
次回は

【残念なエアコン配管】

について書きたいと思います。





 
長い文章を最後まで読んで頂き

ありがとうございました。

今年も残り201日。頑張っていきましょう。





  
YouTubeでも様々な情報を配信もしていますので

そちらも機会があればご覧ください。





  
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
    能見太郎