ブログ

家の骨組み

2024年08月21日

ブログ一覧戻る

こんにちは、京都の長岡京市で


自然素材と高気密高断熱の家を建てている


能見工務店の能見です。よろしくお願いします。






 

情報過多の中、様々な情報が溢れかえって


います。発信される情報というのは、


なにかしら配信者の思惑が入って発信されます。






 

お盆前の宮崎県沖の地震で南海トラフ地震臨時


情報が初めて発表されました。そのせいもあって


毎年行っている高知県は人が少なくどこも


ガラガラでした。花火大会も中止されたり、


海水浴場が閉鎖されたりしていましたね。






 

今日は、地震にも関係ある


【家の骨組み】


について書きたいと思います。


最後に理想の骨組みを書いてるので参照下さい。






 

家が地震で倒壊する理由に骨組みや構造体の


破損が挙げられます。今の家は、建てた時が一番


骨組みが強く年数とともに弱くなっていきます。


それは、木の樹種や乾燥と構造に大きく関係し


ますが、今回は樹種に関して書いて、構造には


次回書かせて頂きます。






 

家の耐震の話になると耐震等級の話や説明は


あるのに不思議と骨組みの話がないのです。


家を建てる時に、樹種や柱の大きさの打ち合わせ


などはほとんどなく使う材料は決められていたり


業者任せだったりしませんか?これから家を


建てる方は、少しだけでも知っていて下さい。






 

構造材には、大きく土台と柱と梁の3種類に分け


られます。まず土台ですが、使用されている


樹種はヒノキ、米トガ、ヒバ、クリ。九州は杉が


良く使われています。一番下の土台は、家の


荷重が全部かかるので堅い木がいいですし、


シロアリ被害を受けやすい部分なのでシロアリに


強く腐りにくい事が大事になってきます。シロア


リ被害に強いということで、米トガの薬剤注入


された材木を使用されている建築会社さんもあり


ますが、私は触るのがイヤということと薬剤は


揮発するので、住んでからの室内環境が気になり


嫌いです。多くの会社が桧を使用されていると


思いますが人工乾燥(KD材)された桧はダメ


ですが、耐久性も価格的も文句はない材料です。


ヒバは、主に寒い地域に生えている材料で青森が


有名です。ヒバで建てた家は一年間、蚊も寄り


付かないと言われるくらい防虫効果があると言


われています。防虫効果は高いのですが、蚊に


関してはどこまで本当かはわかりません。


クリはとても希少価値の高くなかなか手に入り


にくい材料です。値段を気にしないで家を建てる


方のみお勧めさせて頂きます。但し、耐久性が


高い材料とはいえクリ、檜だからヒバだから


白蟻の被害を受けないって事はないのでしっかり


ホウ酸や薬剤散布は考える必要があります。






 

続いて柱は、ホワイトウッド、杉、桧などが


主流です。柱ももちろん土台と同じで耐久性は


求められますが、建物の重みを支える圧縮強度が


特に重要になってきます。お寺ではケヤキが良く


使用されますが、とても高価なので住宅向きでは


ありません。しかも何人かで持たないと持てない


くらい重たいので扱いにくいです。現実的には、


桧、杉が理想ですがコストを落とすのにホワイト


ウッドの集成材という薄い木を張り合わせて柱に


したものも使用されています。集成材は大丈夫


なのかという質問も良く頂きますが、1930年位


から使われており常時水に濡れないのであれば


大丈夫でしょう。







梁は、主にホワイトウッドや米松やアカマツの


集成材、杉、桧、米松、地松などが主流です。


ここでもお寺ではケヤキなども使用されます。


木の強度を比べる力は引張応力、圧縮応力、


せん断応力や曲げヤング係数(変形のしにくさ


を表す数値)などの数種類あります。柱と


違って横向きに使うのでせん断強度や曲げヤング


係数というものが求められます。ケヤキは堅くて


丈夫なイメージがありますが約20年前に京都の


東本願寺の御影堂の改修工事前に屋根裏に上がる


機会があったのですが、ケヤキの2尺ほどある


梁が荷重で押しつぶされているのを見ました。


新材のケヤキと桧を比べるとケヤキはヒノキの


2倍の強度がありますが、100年経たないうちに


桧よりも実は弱くなります。詳しい説明は今回


しないですが、これには木の成分のセルロースの


量が大きく関わっているみたいです。この様に


木にはいろんな特徴があるので、その木に合わせ


適材適所に使うことでいい家ができるのです。






 

樹種もさることながら柱や梁の大きさもとても


重要になります。冒頭で書きました、家が地震で


倒壊する理由の破損、いわゆる柱や梁が折れると


いうリスクは幅が105ミリから120ミリに大きく


なることで小さくなります。柱と梁の接合部の


欠損が少なくなるためですが、詳しくはまた


いつか書きたいと思います。






 

結論:費用が上がっても要検討!!


柱と梁はたかだか15ミリだけですが


105幅でなく120幅にするべし!!


建てる家の樹種も事前に確認しよう!!






 

私の理想の骨組みプラン①


総ヒノキで土台、柱、梁全て桧を使う。匂いと


木肌が個人的に好きだからです。但し、柱が建た


ない大きな空間がある場合は、木の粘りが桧と


松では全然違うので地松がお薦めです。






 

建築期間を気にしない理想の骨組みプラン②


土台と柱は桧で梁は地松です。但し地松を使う


場合は乾燥に気を付ける必要があります。


乾いていない地松を使うと木のねじれで家が


ゆがみやすくなります。時間的に余裕があれば


この木の選定がベストだと思います。






 

価格を気にしない理想の骨組みプラン③


土台はクリ、柱桧、梁地松。時間と費用は掛かり


ますがいいものができることは間違いないで


しょう。ただ、何年その家に住みますか?






 

価格を落とす時の理想の骨組みプラン④


土台は桧、柱は桧の集成材、梁はアカマツor


米松の集成材。最近、集成材も価格が上がって


るので費用と相談しながら決めましょう。






 

 

しっかり家を建てて貰う建築会社さんに


アドバイスをもらいながら進めて


後悔しない家づくりを実現して下さい。


この情報が皆様の役に立てば幸いです。






 

次回は


【耐震構造と免震構造】


について書きたいと思います。






 

長い文章を最後まで読んで頂き


ありがとうございました。


今年も残り133日。頑張っていきましょう。






  

YouTubeでも様々な情報を配信もしていますので


そちらも機会があればご覧ください。






  

手刻みで建てる木組みの家

株式会社能見工務店

    能見太郎