ブログ
- 健康住宅・木の家[能見工務店]トップページ
- ブログ[一覧]
- ブログ[一覧]
- 制震ダンパー
制震ダンパー
2025年02月12日
こんにちは、能見工務店の能見です。
能見工務店は京都の長岡京市で木と自然素材を
ふんだんに使い高気密高断熱で高性能な家を
建てています。よろしくお願いします。
情報が溢れる中、発信されている情報は配信者の
思惑が入って発信されています。ちなみにこの
ブログは、自然素材と高性能住宅推しの能見が
書いています。そんな見方で読んでください。
今日は、
【制震ダンパー】
について書きたいと思います。
まず家の構造には、
免震構造と耐震構造があります。
免震構造は、古来の日本の家の建て方で、
石の上に柱を建てて、屋根で家を動かなくする
ように重しを乗せ壁に土壁を塗って仕上げます。
地震が来た時は、瓦をポロポロ落として屋根を
軽くして、壁の土壁で揺れを吸収し揺れることで
家の倒壊を防ぐ構造になっています。今では、
やり方は違いますが高層ビルなどの土台部分に
免震装置が付けられて揺れることで地震の力を
逃がすという知恵が利用されています。
耐震構造は木造住宅が主流で地震に耐えるために
金物や耐力面材を使って建物をガチっと固める
構造になっています。想定以上の力がかかると
倒壊してしまいますが、耐震強度の度合い表す
耐震等級3で建てられた家は立て続けに2回
起こった熊本地震で2度も震度7に耐えた
実績があります。なのでこれから建築される方は
耐震等級3で建てて下さいね。なぜなら構造は
後からでは、補強するのが難しいからです。
耐震等級3は最も高いレベルなので安心、地震も
もう怖くない。ということなんですが、耐震構造
には唯一の弱点があります。それが繰り返しの
揺れに弱いということなんです。確かに、
熊本地震の時に立て続けに来た2度の震度7に
耐えた実績はあります。ただ、筋交いや耐力面材
が強い地震の揺れに何度も何度も抗うと、
その筋交いと構造材との接地面が損傷や割れを
起こしたり、耐力面材の釘が抜けてきたりして
回数を重ねるごとに当初の強度が落ちてくる
ことが考えらからです。実際の耐震実験でも、
筋交いに大きな節があるとそこで木材が折れたり
耐力面材の釘が抜けることが確認されています。
それを補うのが今回の制震ダンパーになります。
制震ダンパーは大きく変位依存型と速度依存型が
あります。そしてこの中に鋼材ダンパー、粘弾性
ダンパー、油圧(オイル)ダンパーがあります。
鋼材ダンパーは摩擦によってエネルギーを
吸収する変位依存型で油圧ダンパーはオイルに
よって速度を変位させエネルギーを吸収する
速度依存型になります。粘弾性ダンパーは
ゴムやシリコンの素材の持つ弾力性を使い
エネルギーを吸収する変位依存型と速度依存型を
組み合わせたような位置づけになります。
木造住宅では、粘弾性ダンパーと油圧ダンパーが
良く使用さるのでこのそれぞれの違いを表に
まとめてみました。
粘弾性ダンパー
|
油圧ダンパー
|
|
制震する特徴
|
ゴムやシリコンの素材の持つ弾力性を使いエネルギーを吸収する
|
オイルによって速度を変位させエネルギーを吸収する
|
揺れによる反応
|
大きな揺れから反応し、耐震性能を兼ね備えた商品もある
|
ごくわずかな揺れから反応し性能を発揮する
|
価格
|
50万円~80万円
|
30万円~60万円
|
デメリット
|
温度差により劣化や性能が変わる可能性がある
|
オイル漏れによるメンテナンスが必要になる場合がある
|
【結論】耐震等級3で建築することが基本!!
繰り返し来る地震に何度も絶えることを想定して
いない現在の耐震基準を補うのが制震ダンパー。
耐震構造の家は、地震に耐えるためにガチっと
固めるので、必要以上の力がかかると躯体を
損傷してしまいます。耐震ダンパーはこれを
防いでくれるのです。どこまで費用を掛けるかは
皆様次第ですが、まずは耐震性能を確保した上で
予算に余裕があれば検討しましょう。
しっかり家を建てて貰う建築会社さんに
アドバイスをもらいながら進めて
納得した家づくりを実現して下さい。
この情報が皆様の役に立てば幸いです。
次回は春に向けて
【これから家づくりを始める人へ】
について書きたいと思います。
長い文章を最後まで読んで頂きありがとう
ございました。YouTubeでも様々な情報を
配信もしていますのでそちらもご覧ください。
手刻みで建てる木組みの家
株式会社能見工務店
能見太郎